CIRCLE OF DAYZ vol.2 Tetsu Nishiyama Part2

「DAYZ」と結びつきの強い人物や「DAYZ」が心惹かれる人物についてじっくり深掘りしていく「CIRCLE OF DAYZ」。第二回は、〈FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS〉、〈WTAPS〉そして〈DESCENDANT〉のブランドディレクター、西山徹に話を訊いた。彼が〈FPAR〉名義で開催した初の展覧会「The truth is out there」に際してのインタビュー。後編は、渋谷という場所、クリエイションに必要なストーリーのこと。

変化を許容していく、渋谷の都会的感覚。

——コロナ禍で世の中が劇的に変化しました。その中で許容しなければいけないことなど、どうバランスを取っていますか?

個人的には変化に対して柔軟な方だと思います。スクラップアンドビルドというか、壊して作ることはよくやってきています。自分の持つ価値観を新しくするには、これまでのものを一度壊すことも大事だと思うんです。そうやってゆくことが進化をしてゆくことでもあると思っています。

——渋谷出身という立場から、渋谷という場所の変化をどんな思いで見ていますか?

あったものがなくなるっていうのは当たり前で、子供の頃から見てきた景色がなくなっていく。当然、エモーショナルな気持ちは多少あるけれど、そういう場所だから、慣れているんじゃないですかね。すぐに順応しちゃうから、そもそも好きも嫌いもないのかもしれません。あの頃の渋谷はどこにもありませんし、都会ってそんなものなんだと思います。外から来る人たちで賑わうのが大都会なので。ただ、東京で生まれて渋谷にいなかったら、いまの自分はいませんね。

——〈FPAR〉は説明や情報が少ない印象を持っています。今回は作品なので、解説がありますが、あんまりないことなのかなと。

そうですね。今回はパブリックなギャラリーで展示し、見てもらうことが前提でしたので、ブランドを知らない方々にも作品の中身を知っていただくことが目的でもありました。

自己表現の動機=人生のストーリー。

——今、アウトプットが簡単な世の中になっています。

SNSのおかげで自己表現を行うプラットホームが均一化された今、誰もがある種自由に情報を発信できる時代になり、様々な人がシームレスに高クオリティの情報を高速で発信することが日常となった現代は多種多様な価値観がスタンダードとなりました。だからこそ、表現にはプロットが大事になると思うんです。

——その責任が、ストーリーや背景に繋がっていく。

今回、自分たちはフィジカルに展覧会というカタチで表現を行いましたが、先に言ったプロットがないと、自分が何をすべきか、また、したいのかが分からず、展覧会のストーリーを伝えることができません。原因があって結果があると思います。“ストーリー”というのは、”おはなし”ではなく、何かを製作しようとする際に必要な動機。要は、自分に悲しいことが起きたから、自分がこういう気持ちでいる。そのこと自体が、一つの動機になると思うんですよね。誰にとっても自分の人生で感動したこと、子供が生まれたこと、家族ができたこと、誰かが他界したこと。ありとあらゆる影響が自分のコアにあります。そんなコアを動機にして結果に導くようなプロットがあって、初めて表現は完結すると考えています。〈FPAR〉というブランドは90年代、自分がまだ多感な10代の頃に始まったストーリーのようなものです。そんなユニークな時代のサブカルチャーというサブテキストを含んだ〈FPAR〉が今の時代が抱える大きな課題に直面し、表現した展覧会であったわけです。つまり、〈FPAR〉という90年代に始まったストーリーの途中で直面した出来事が今回の展覧会のプロットということなのです。

Interview : Yu Yamaki
Text & Edit : Shu Nissen
Photo : Kenta Karima

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