〈MASSES×M&M Custom Performance〉 collaboration : An Interview With Kanji Maehara
2021.04.17 #ART #FASHION #INTERVIEW
記憶に新しい<MASSES x M&M>のコラボレーションが再びDAYZに登場。今回リリースされるのは3型3サイズの鉢。<MASSES>の前原完治に<M&M>の村上俊美と<STYLE OF CHIKA>のCHIKARAが協力する形で誕生した唯一無二のプロダクトだ。その誕生秘話を前原完治が語る。
旧知の園芸家との約束。
——今回のコラボレーションに至った経緯を教えて下さい。
自分自身、植物がすごい好きで本格的に始めたのは約10年前。ただ趣味でやっていることだったので、あまり表には出していませんでした。植物の世界にのめり込むきっかけは、Agave。海外の知り合いの家の庭で初めて見た時、すごい独特の雰囲気があったから「この植物は素晴らしい」って、日本に帰ってからもずっと気になってて、海外の物から色々と調べたらAgave titanotaを見つけたんです。日本で血眼になって探してたらCHIKARA君に出会ったんです。
——Agaveを追求した先の出会いだったんですね。
彼は小さい規模でも自分のセンスで輸入を頑張っていて、本当に色々と苦労をしていました。色々と話して行くうちにすぐに意気投合し、毎晩Agaveの輸入先の写真を見ながら2人で話し込んでいましたね。CHIKARA君は子供のように無邪気にAgaveの海外情報を自分に話してくれ、まだその頃って情報も少なく、ワクワクしながら2人でよく話していました。そこに意味があると思うんです。正しくても、違っていても真面目であれば。答えがあって無いようなところがある。だけど、後から真似たうえにそこを無理矢理ねじ曲げて、商売をする人もいた。だから、他の植物業界の人とコンタクトを取らなかったし、今でもCHIKARA君だけかも。その頃にいつか一緒に何かやれたらいいねと約束をし、適当な感覚だけではできないしやりたく無いから、8年ぐらいかかってしまった。CHIKARA君、ごめんね。
育てる鉢。鉄という素材が持つ魅力。
——今回発売されるアイテムについて教えてください。
自分が良いと思える鉢がなく、海外のプラ鉢が1番よく見えるので、基本はプラ鉢にAgaveを植えていたんです。たまに変化が欲しくて、クラックの入ってしまったハーレーのシリンダーやピストンにAgaveを植えて遊んでいたんです。眺めてるとなんとも言えない雰囲気があり、眺めて楽しんでましたね。自分は素材として、鉄や木に昔から凄く引き寄せられるので、たしか何かの写真集で、ボロボロに錆びた車の中から生えているサボテンがたまらなくかっこ良くて、頭の中に残っていて植えたんだと思います。
——確かに、そう聞くと、鉄と植物は相性が良さそうです。
鉄って本来自然界のものだし、物って経年変化するでしょう。植物も育て方で成長の仕方が変わるように、鉄も育つって自分は考えています。例えば、錆させることもできるし、逆に磨き続けると、またそれも深みになる。経年変化ですごい深みが出てくるんです。だからこれは、育てて楽しめる鉢を作りたいと。買った人それぞれの考えで、どう自分らしい鉢に育てるか、植物を育てるだけじゃなくて、もう1つ楽しみが増えると良いなと。
——鉄の鉢ってあまり見かけないような気がします。
そうなんですね、鉄で自分の理想的な鉢を作れないかと思って、どうしようって考えたときに、ムラ君に相談しようと考えました。ムラ君の<M&M>での物づくりの姿勢や鉄と木の素材使いが大好きなので、「鉄でこんな鉢が作りたい」と言ったら、ゲラゲラ笑っていたから、こいつまた突拍子もないことをって思いながらも、面白いと感じてくれたんじゃないかな。「分かった。ちょっと考えるよ」って言ってくれたんです。30年真摯にやり続けた人が出した答えは確実性が高く、自分の頭の中にある物を形にしてくれました。後は長い付き合いで、お互いの事を理解していたからだと思います。 ムラ君ありがとうございます。
——植物愛好家でなくてもプロダクトとしての魅了が感じられる仕上がりになっていると思います。
これから先も作り続ける予定です。なぜかと言うと、本当に欲しい人の手元に届いて欲しい。みんなの手に届く値段で値段以上にクオリティの高い物を販売したいです。流行らない売り方ですが、 けどそれで良いなと。ムラ君が一生懸命作ってくれたものですし。本当の物づくりっていうのを感じてもらえたら嬉しいです。
About
MASSES
情報の混沌を楽しく前向きに捉え、そこから溢れでたエレメントをリミックス、マッシュアップし、時には逆のベクトルで商品を作ります。過去はバックミラーで確認しながら前進します。きっとそのフィーリングは、思考や感情など個人的な枠組みを皆で共有できるような、ポピュラリティーを得られる、新しいバランスの提案ができると信じています。
Shop
MASSES HEAD SHOP
153-0051
東京都目黒区上目黒1-15-12-203
TEL 03-6455-2555
OPEN 13:00-20:00
CLOSE Wednesday,Thursday
Web
Instagram
Interview : Yu Yamaki
Photography : Yu Inohara
Edit : Shu Nissen
Location : Tamagawa Diner
YOU MAY ALSO LIKE
-
CIRCLE OF DAYZ vol.17 Nau Shima
「DAYZ」と結びつきの強い人物や「DAYZ」が心惹かれる人物についてじっくり深掘りしていく「CIRCLE OF DAYZ」。第17回はウェアブランド「Timc Inc.」を手がける島 菜有にインタビュー。ブランドとして初となるPOP UP開催を前にブランドの魅力や開催への経緯を聞いた。
2024.11.20
-
DAYZ AFTER TOMORROW vol.4 Daisuke Motogi
僕たちの東京コミュニティは職業、性別、年齢など関係なく、愛するカルチャーで集まっている。気になる人から気になる人へバトンを繋ぐ、某テレビ番組のオマージュ企画「DAYZ AFTER TOMORROW」。第四回目は神宮前に位置するうどん屋「麺散」や渋谷の「不眠遊戯ライオン」のプロデュース、様々なパーティの会場となっている「Tokyo BURNSIDE」の仕掛け人である岡田茂からバトンを受け取った、DDAA代表の元木大輔にインタビュー。建築・デザイン事務所DDAAを設立し、建築、都市計画、ランドスケープ、インテリア、プロダクト、コンセプトメイキングなどの様々なプロジェクトに関わると同時に、建築的な思考を軸に、独自のリサーチやプロトタイピングを通して社会性のある実験的なデザインを自主的に行うプラットフォームDDAA LABも運営する彼のバックグラウンドについて訊いた。
2024.09.02