
ケニー・シャーフ氏の30年振りの個展「I'm Baaack」がNANZUKA UNDERGROUNDと草月会館の2箇所同時開催
2023.06.01 #ART

アメリカ人アーティスト、ケニー・シャーフ氏にとって日本のプライマリーギャラリーにおける展覧会として、約30年ぶりとなる個展「I’m Baaack」が6月10日から7月9日まで NANZUKA UNDERGROUNDと草月会館(6月30日まで)の2会場にて同時開催される。

シャーフ氏の作品の特徴は、何と言ってもカラフルな色彩と独自のキャラクターにある。「原始家族フリントストーン」や「宇宙家族ジェットソン」のファンを公言するシャーフ氏は、こうした漫画アニメの引用から自身のキャラクターの着想を得たと語る。宇宙人とも巨大化した微生物とも、植物の妖怪のようにも見えるシャーフ氏のキャラクターについては、シャーフ氏自身や友人たちのメタファーであり、怒りや喜び、眠気、空腹といったごく自然な感情を表している。また、その色彩も私たちのあらゆる感情を表す。そして、シャーフ氏の作品における動きやスピード感は、そのまま即ち生命感という最も重要な文脈を担う。本展覧会のためにシャーフ氏が描きあげた新作には、変幻自在に形を変え、飛び回ったり、動き回ったりと表情豊かなキャラクターたちが登場する。それは良い意味でも悪い意味でも、私たち人間の自由な姿を連想させる。完成した作品を注意深く見ると、そこには日本語で「温暖化」、「見えぬ道筋」、「原告」、「医療システム整備」といった言葉が散りばめられている。シャーフ氏は今回の日本での個展にむけて、日本語の新聞を集め、私たちが現在向き合っているテーマに関するキーワードを画面の中に忍ばせた。若い頃にドラッグやエイズなどで多くの友人を失った経験を持つシャーフ氏だからこそあらゆる社会問題がその創作活動の背景に垣間見えるのだろう。
本展では、日本初公開となるインスタレーションも発表。シャーフ氏は1981年に、使い古した玩具や家電といったファウンドオブジェクトとブラックライト用いたインスタレーション「Cosmic Cavern」を発表。空間を丸ごとビビットなネオン色に変換し、没入型の視聴体験を提供するこの作品は、シャーフ氏の芸術を象徴するシリーズとして現在も進化を遂げ続けている。また、草月会館においては、イサムノグチ石庭における新作の立体彫刻作品のインスタレーションに加えて、1985年に草月会館が主催した「アートインアクション」展の際に、シャーフ氏自身がペイントと改造を施したキャデラック「夢の車」が38年ぶりに限定公開される予定だ。
Profile
ケニー・シャーフ
1958年アメリカ・カルフォルニア州生まれ。1980年にNYのSchool of Visual Artsを卒業。その後、アンディ・ウォーホルをメンターとして、グラフィティやコラージュを主要な表現スタイルとする「イースト・ヴィレッジ・アート・ムーブメント」の一員として、バスキアやキース・ヘリングといった同世代のアーティストと共に一躍大きな脚光を浴びた。1985年には、ホイットニー・ビエンナーレに参加。自身のユニークな創作を説明するために「ポップ・シュルレアリスト」という用語を生み出しました。近年の展覧会に、個展「Moodz」(Jeffrey Deitch, CA,アメリカ, 2020)、「Super Pop Universe」(Lotte Museum of Art,ソウル, 韓国, 2018)、「Fast Forward_Painting from the 1980’s」(Whitney Museum of American Art, NY, アメリカ, 2017)、「Hammer Projects」 (Lobby Mural Hammer Museum, CA, アメリカ, 2017) など多数。現在では、独自のキャラクターを駆使したアート作品という 21世紀型ポップアートのトレンドに繋がる文脈を切り開いた先駆者として、多くの若いアーティストの尊敬を集めている。
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