KNOCK ON THE DOOR vol.1 'M&M CUSTOM PERFORMANCE'
2020.12.11 #COLUMN
“場所を作り上げる”。この行為には様々なアプローチがあり、建築的分野による職人的な作業から、場作りという意味合いでもう少し抽象的な、全体の空間や世界観をディレクションする作業など、これらの2つの間には無数のスタイルが存在する。そんな中、時代を超えて語り継がれる場所作りの担い手として、村上俊実と友人によって立ち上げられた〈M&M〉という内装集団がある。アパレルショップやカフェなどの内装、オリジナルのインテリア、アパレルを展開するクリエイティブ集団だ。職人的な物作りに対する姿勢と、〈M&M〉の世界観を色濃く反映させるディレクションの妙技は、前述の“場所作り”に属する2つのカテゴリーのパワーバランスを弱めることなく、それぞれの“強さ”をクリエイティブに調和させた第一人者とも言えるだろう。
〈NOWHERE〉や〈NEIGHBORHOOD〉、〈Supreme〉などストリートの歴史において欠かすことの出来ない、重要なショップを〈M&M〉 が手掛け、今のクリエイティブな場所作りの文脈に大きな影響を与えている。
東京の“今”のカルチャーを世界に向けて発信するショップ〈DAYZ〉の内装も、〈M&M〉によってデザインされており、今回はその繋がりもあり特別に工房内を撮影することが実現した。〈M&M〉という存在の裏側を収めた写真からも分かる通り、何も特別なカラクリや現実離れした魔法があるわけではない。写し出されているスタジオにあるのは、〈M&M〉が長年大切にしている本質的な世界観と、もの作りに対するストイックさ、そして偽りのない用材と機械と塗料材が、空間を埋め尽くしている。 カルチャーを、歴史を、生み出し更新し続ける物作りとは何か? ということを、改めて写真という媒介を通じて感じ取って欲しい。
M&M CUSTOM PERFORMANCE & DAYZ POP UP EVENTをDAYZにて12/14 (月) まで開催中。
M&Mの内装で作られた店内には、M&Mのアーカイブ作品も期間限定で展示中。さらに、今回のイベントに合わせたスペシャルコレクションも店頭・オンラインストアにて展開しております。
この貴重な機会にぜひご来店くださいませ。
オンラインストアは 'こちら'
Text : Hiromu Sasaki
Photo : Yu Inohara
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