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CIRCLE OF DAYZ Vol.1 Masafumi Watanabe Part 2

「DAYZ」と結びつきの強い人物や「DAYZ」が心惹かれる人物についてじっくり深掘りしていく「CIRCLE OF DAYZ」。第一回は、東京のストリートシーンを牽引してきた〈BEDWIN & THE HEARTBREAKERS〉のディレクターで、「DAYZ」を作り上げた張本人でもある渡辺真史にインタビュー。後編では、東京という街の魅力や、これからの東京のカルチャーシーンに期待することについて聞いた。

多様なカルチャーが詰まったコンテンツの街、渋谷。

——東京で生まれ育った中でも、やはり渋谷は特別な街ですか。

若い頃からずっと渋谷で遊んでるけど、実はそこまで強い思い入れはなかったんだよね。ある程度の年齢になっていろんな場所を知ってから、改めて渋谷の良さがわかったような気がする。自分では普通だって思ってることが、他の人にとっては意外と面白かったりするし、地方や海外から遊びに来ている人の方が、僕らよりよっぽど東京の面白いスポットを知ってたりもする。だからそこを見逃さないように気をつけないといけないって常々思ってるよ。どこで生まれ育ったかより、今暮らす街の良さを見つけることの方が重要なんじゃないかな。

——仕事やプライベートでさまざまな都市を訪れていると思いますが、そんな中で渋谷の魅力はどこだと感じますか?

とにかくいろんなカルチャーがあるところ。昔はそれをサブカルチャーって呼んでたんだけど、今は渋谷っていう街全体にカルチャーが詰まっているから、もはやサブとメインの分け隔てがなくなってるのを感じる。ここへ来れば自分の好きなものにきっと出会える「コンテンツの街」だと思うし、年齢や性別に関わらず、誰もが好きなものを見つけられるところが魅力なんだと思う。

——まさにそうだと思います。東京をテーマにして「DAYZ ARCHIVES」でどれだけのコンテンツを作れるだろうって考えた時に、ファッションはもちろん、食や音楽、アートなど、なんでもできるって気づきました。

そうだよね。実際、「MIYASHITA PARK」の中だけでもかなりのことができちゃうわけだし。繁華街でショッピングや食事をするのはもちろん、代々木公園や西郷山公園みたいに自然を感じられる場所もあるから、東京の楽しみ方はいくらでも可能性があると思う。それに、僕たちがまだ掘れてないディープな店もまだたくさんあると思うんだよね。「DAYZ ARCHIVES」では、Time out、The village voice、ぴあ、地方の新聞みたいに、めちゃくちゃローカルなコンテンツも作りたい。ファッション業界の人にこだわらず、渋谷に生まれ育ち、ずっと生活している地元の人達にも話を聞いてみたいな。

——最も渋谷らしいと感じる場所はどこですか?

渋谷はどんどんアップデートされていく街だから、”渋谷らしい”って感じる場所も数年後にはガラッと変わってるんじゃないかな。そういう変化の激しさが”渋谷らしさ”だと思うし。その変遷をしっかりアーカイブしていきたいから、このメディアを「DAYZ ARCHIVES」って名付けたんだ。5年後、10年後に見返した時に、渋谷ってこんな街だったんだって学べるような資料になったらいいよね。雑誌を全部保管しておくのは難しいけど、デジタルはデータを残しておけるから。

——では、2020年の渋谷を象徴する場所を選ぶとしたらどこでしょう。

それはやっぱり「MIYASHITA PARK」の「DAYZ」であってほしいな。この施設を作るにあたっていろんな反対意見もあったと思うけど、それも踏まえてここがどう成長していくのかが今後の渋谷のキーになるはず。

東京といえば「DAYZ」という存在を目指したい

——今後、この街に期待することはありますか?

いろんなカルチャーが強く根付いて、それをみんなが知って、それぞれが自分の好きなものを深掘りするようになってほしい。そうすることで、モノのコアな部分にアクセスできるようになるから。その舞台が東京であったらいいなって思うよ。ファッションって希薄なものも多いじゃない? それは若い子たちのスタート地点としてはいいのかもしれないけど、そこで完結しちゃったらつまらないと思うんだよね。自分の好きなものを通じていろんな人と関わることで、自分自身のアイデンティティを理解することにも繋がるし。あとは「DAYZ」に来た人や「DAYZ ARCHIVES」を見た人に、「好きなものへの強い気持ちがあれば店って作れるんだ」とか「メディアって一から始められるんだ」って知ってもらえたらうれしい。そして、そういう人が新しく何かを始めてくれたら、東京の街がどんどん楽しく進化していくと思う。

——SNSで見つけたアイテムをそのままオンラインで買えてしまう時代だけど、せっかく面白い場所やいいショップがあるから、街へ遊びに来てもらいたいですよね。

そうだね。オンラインはもちろん便利だし、外に出ることを強要するつもりはないけど、リアルな繋がりでしか感じられない深い学びもあると思う。好きな芸能人が身につけているのをSNSで見つけて、それをオンラインで購入して、実際にその商品が届くまでのスパンってものすごく短いんだけど、それだけで終わってほしくはない。なぜそのアイテムを選んだのか、それを身につけることで自分がどう豊かになっていくのか、っていうところまでちゃんと感じられる世の中になったらいいな。自分の好きなものを見つけて、それを追求する楽しみを知ってもらいたい。たしかなもの、自分にとって意味のあるものを選んでほしいし、それに対して時間やお金を使ってほしい。僕たちはその想いに見合うものを提供していきたいから。

——このメディアを通じてそういう意識を持つきっかけを与えられたらいいですよね。

責任重大だと思う。僕がなんでここまでメディアを信頼できるかっていうと、昔から雑誌に書いてある情報に対してとても感動し、勉強させてもらっていたから。いろいろ考えさせられたし、刺激も沢山もらった。国内外の雑誌を読み漁り様々なことを学んだし、そこに関わるエディターやデザイナーが必死に仕事をしているっていうことも感じ取ってきた。だから「DAYZ ARCHIVES」でも読んだ人に何かを感じさせられるような、突っ込んだ内容のコンテンツを作っていきたいと思ってるよ。人が発信するってことの責任をしっかり持ってやっていきたいし。

——最後に、「DAYZ」としてのこれからの目標を教えてください。

新型コロナウイルスの影響で今はまだ地方や海外からのお客さんが少ないから、まずはローカルへの発信を一生懸命やっていきたい。渋谷という街をどれだけ深掘りできるかが、まず目指すことじゃないかな。それができたら、遠くから来てくれた人にどう伝えるかも考えなくちゃいけないと思う。東京のカルチャーを独自の角度から伝えられればビジネスとしても成功するだろうし、それができなかったらたとえビジネスとして成功しても自分的には納得がいかない。渋谷といえば「DAYZ」っていう存在になるまで続けたいね。

Text : Momoka Oba
Photo : Takao Iwasawa

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