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CIRCLE OF DAYZ vol.13 NESM

DAYZと結びつきの強い人物やDAYZが心惹かれる人物についてじっくり深掘りしていく「CIRCLE OF DAYZ」。第13回目はグラフィティをルーツに世界的に活躍するグラフィックデザイナーNESMにインタビュー。バッググラウンドや今回の個展に当たっての思いを聞いた。

―――作品を作り始めたきっかけはなんですか。

NESM:幼い頃からヨーロッパのサッカー道具やユニフォームなど、海外物からかなり影響を受けていました。小学生から素材や色やデザイン、海外から来るブランドのロゴに惹かれてました。中学生の時には、ニューヨークから帰ってきた兄貴の友人から『ワイルドスタイル』や『ビートストリート』を観せてもらい、見よう見まねで描き始めました。

―――本当に幼い時から絵を描いていたんですね。

NESM:その当時は本当にただ単にものまねでした。別に絵というわけでなく、デザインされたものが生活しているだけで溢れていたので、海外からの情報を取り入れてました。通販で買える海外雑誌を取り寄せたり去る中で、よりアメリカやヨーロッパに興味を持つようになりました。やっぱりヨーロッパとアメリカのものは日本のものとかなり違います。アメリカは野球のプロダクトや関連するロゴなどが格好よかったり。ヨーロッパはサッカーのプロダクトやロゴに感動しっぱなしでした。

―――なるほど。10代やもっと前の多感な時期にそういうものに触れて、絵を描くようになったんですね。

NESM:でも10代の時は年に数回描くか描かないかぐらい。情報も少なかったし、他にやっている人も知らなくて、ただ海外のビデオや雑誌、本を見て、なんとなく真似しているだけでした。何となく手は動かしてはいたけれど、ただ単に影響を受けている子供でした。何となく見よう見まねを繰り返しながら、海外の情報を仕入れて活動してました。その中で少しずつ本格的にそれらに纏わるカルチャーを理解しだしてきた時に、SVAっていうニューヨークの学校にグラフィックデザイン専攻で行く機会が訪れました。

―――当時どのくらい描いていたんですか。

NESM:KAWSと一緒にグラフィティを描いていたんですが、彼の作風が変化したタイミングで、僕はもっとグラフィティに力を入れたいと思っていました。そこでKAWSから相棒だったNACEを紹介してもらって、一緒に描くことになったんですよね。彼がすごくアクティブで、毎週欠かさず描いてるような人で。それに自分も影響を受けて、毎週のように描きに行ってました。その時はものすごく充実していましたね。その後、とある事務所でグラフィックデザインを始めました。その仕事が始まってからも週末はグラフィティを描きに行くのがルーティーンでしたね。その間も本当に色々な人と知り合って、〈ACRONYM〉のエロルソンなどと出会ったのもこのタイミングです。彼が僕の作品を見て、知人を通して連絡してきました。〈ACRONYM〉を本格的に成長させていくタイミングで、グラフィックをやってくれないかと依頼が来ました。

―――そんな古い繋がりだから一緒に物作りをしているんですね。

NESM:だんだんと〈ACRONYM〉が有名になってきて、何年かぶりに行ったときにはちゃんと会社になってて驚きました(笑)。本当に不思議な関係です。

―――今回はさらに古典的な展示になると思うのですが、なんでこのタイミングでやることになったんですか。

NESM:自分をキャンバス作品で表現したいと思う部分があって。今まで幅広くグラフィックデザインをやっていました。ページレイアウトや企業のロゴだったり。クライアントワークが多かったです。その中で、自分に少し矢印を向けたいという気持ちが出てきたんですよね。

―――今回の展示のテーマは何ですか。

NESM:自分の中にあるものや線一つにしても、自分はやっぱりグラフィティから学んでることが沢山あるので、自分らしい何かを表現したいと思っています。

Photo : Masataka Obayashi

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