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ロサンゼルスを拠点にするインディペンデントキュレーターAMADOUR氏が手掛けるグループ展「SYNTH」がGallery COMMONにて開催

ロサンゼルスを拠点にするインディペンデントキュレーターAMADOUR氏が手掛けるグループ展「SYNTH」が2023年7月1日から7月30日までGallery COMMONにて開催される。本展は、ロサンゼルスを拠点にするインディペンデントキュレーターAMADOUR氏が手掛け、アーロン・ファウラー氏、アレックス・アンダーソン氏、エイプリル・ストリート氏、デヴェンドラ・バンハート氏、エリン・デズモンド氏、セイヤー・ゴメス氏の合計6名のアーティストによる作品が展示される。

「SYNTH」展では、ロサンゼルスの多様な都市景観を共に探求し、精力的に表現してきたアーティストたちを集めている。絵画、彫刻、陶器、写真を用いて南カリフォルニア州の豊かな自然の地形や都市の視覚文化、映画のようなロマン主義を展示する本展は、こうした景観を東京に紹介するような役割をもつだろう。



アーロン・ファウラー氏は、捨てられた日用品を素材に巨大な作品を制作。その作品の中心的なモチーフに「靴」がある。これは彼のアイデンティティを同定するアフリカ系アメリカの文化とヒップホップ文化において重要な意味を持つひとつのシンボルだ。今回の展示では、ヒップホップと原宿ファッションの結びつきに対するオマージュとして長さ2メートルの靴を制作したほか、原宿の近所で見つけたエル・カミーノを壁面彫刻にした。この彫刻作品は、東京で調 達した車の部品で作られ、それらをファウラー氏が実際に原宿の屋上で描いたその街の空と建物の風景画が補強している。



セイヤー・ゴメス氏とエリン・デズモンド氏は、ロサンゼルスの風景を描いてきた自分たちの作品を通じて、原宿の街並みを描いた絵画に応答しようと試みた。ゴメス氏の作品がロサンゼルスの人工的な側面に視線を向けるのに対して、デズモンド氏の写真では、裸体がカリフォルニアの夕焼けや草木をアーチ状に囲い、私たちを自然へと引き戻す。



エイプリル・ストリート氏の作品は、デズモンド氏の写真作品に続くかたちで、ロサンゼルスの牧歌的な色調と呼応しながら鮮やかな植物の生い茂る幻想的的なジャングルに私たちを引き込む。その一方、アレックス・アンダーソン氏はどちらかといえばゴメス氏の見方に近く、彼の作品にも反映されている。一見かわいらしく見える彼の陶器は、よく見ると暗いモチーフによって私たちを裏切り、大都市が提供する華やかだけれども、浅はかなライフスタイルについて考えさせられる。ベネズエラ系アメリカ人ミュージシャン兼アーティストのデヴェンドラ・バンハート氏の作品は、社会と私たち個人の関係を力強い図面で描いており、情緒的で精神的な仕方で本展の最後のピースをはめてくれる。



ロサンゼルスと原宿という二つの都市は、自由と自己表現の理想郷というステレオタイプの認識を共有しているために、文化の重要なミューズのような場所であるという独特な特徴をどちらも持っている。多くの人々が、インスピレーションを得るため、あるいは夢を追い求めるために、両都市に集まり続けている。外からの影響やインフラの変化によって両都市が変貌するなか、創造的な都市の核となるものが一体何なのかを再考することはこれまで以上に重要である。本展はアートを通じて両都市を繋げるとともに、それぞれの都市の特徴を考えるきっかけになるだろう。

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