CIRCLE OF DAYZ vol.17 Nau Shima

「DAYZ」と結びつきの強い人物や「DAYZ」が心惹かれる人物についてじっくり深掘りしていく「CIRCLE OF DAYZ」。第17回はウェアブランド「Timc Inc.」を手がける島 菜有にインタビュー。ブランドとして初となるPOP UP開催を前にブランドの魅力や開催への経緯を聞いた。

―――初めてTimc Inc.を知る方たちへ、ブランドの魅力を教えてください。

Shima(以下:S):シンプルに言ってしまえば、道具としての「衣」をコンセプトとしたブランドです。この“道具”という言葉には様々な意味を含みますが、一見飾り気のない服には、それを纏った人の魅力を十分に写し出す力があると思っています。シンプルかつ普遍的なモノは、使う側がどう磨くかでその見え方が変わる。Timc Inc.のプロダクトを手にした方が、日常の中でどう使うか。その中で気づいたら“いつも側にあるモノ”になっている。そんなブランドでありたいと考えています。

―――今回のPOP UPが実現した経緯を教えてください。

S:きっかけはべべたんです。歳も近いし、自分も長く原宿に身を置いていたので、昔から存在は知っていましたが、実際に顔を合わせるのは展示会やイベントの時くらいでした。距離がグッと近くなったのは、前職から独立するタイミングです。久しぶりに連絡をした時、驚くほど前向きに応援してくれました。リスクの話も含めて色々と相談に乗ってくれたし、「何かあれば必ず力になる」と言ってくれた。嬉しかったですね。

退職後の準備期間中も、定期的に連絡をくれたり、食事をしながら情報交換をしたりと、常に気にかけてくれていました。Timc Inc.を立ち上げてからも、方向性や見せ方について反応してくれるし、必ず褒めてくれる。べべたんは視野が広く、全体像を把握した上でディレクションする能力がすごく高い。簡単に核心を突いてくるんです。本人は嫌がると思いますが、本当に“大人”なんですよ。

だから「DAYZで何かできないかな?」と声を掛けてもらえた時は嬉しかったです。自分からお願いするのは筋が違うと思っていたので、余計に。今回DAYZでPOP UPを開催できることには、自分にとって大きな意味があります。端的に言えば恩がある。だからこそ、DAYZが果たすべき役割にも共感できるし、Timc Inc.の存在理由とも深くつながっていると感じています。

―――渋谷というエリアについて何か思うことはありますか?

S:渋谷に来る頻度はかなり減りましたが、来るたびに“良くも悪くも大きな街になったな”という印象です。自分は東京生まれで、遊び場もセンター街から宇田川エリアまで。バイト先も渋谷の千歳会館でした。渋谷でしか学べなかったルールや出来事がたくさんあったと思います。あの頃のヒリついた空気感は今の渋谷にはもうないですが、今も昔も不思議な魅力がある街であることは変わりません。何かが常にうごめいている、若者の街という点でも。

―――今回のアイテムについてコメントをいただけますか?

S:お話をいただいてから少し時間的な余裕があったので色々と仕込むつもりでしたが、最終的には背伸びせず、等身大の今のTimc Inc.らしさをしっかり伝えることを最優先にしました。特別なアイテムを用意するのではなく、ブランドの“名刺代わり”になるようなユニフォームスタイルです。

冒頭でも話しましたが、一見飾り気のないシンプルな服には、それを纏った人の魅力を写し出す力がある。この機会を通してまずは触れてもらい、僕の作るモノから何かしらの“空気感”を感じてもらえたら十分だと思っています。

―――今回のPOP UPについてメッセージをお願いします。

S:前職の時から、そして独立後も、脇目も振らずにサポートし続けてくれる方々には本当に感謝しています。実店舗を持たずにこの2年間活動を続けてきましたが、今回はDAYZの協力のもと、これまでにないTimc Inc.の世界観を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

―――DAYZという場所についてどう思いますか?

S:大事な場所だと思います。ストリートカルチャーをつなぐ重要なハブであることは間違いありません。誤解を恐れずに言えば、DAYZファンだけでなく、皆が大切にサポートすべきショップの一つだと思っています。

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