―――初めてTimc Inc.を知る方たちへ、ブランドの魅力を教えてください。

Shima（以下：S）：シンプルに言ってしまえば、道具としての『衣』をコンセプトとしたブランドです。この道具という言葉には様々な意味を含みますが、一見、飾り気のない服にはそれを纏った人の魅力を十分に写し出す力があると思っています。シンプルかつ普遍的なモノは使う側がどう磨くかで、そのモノの見え方が変わります。Timc Inc.のプロダクトを手にした方が日常でそれらをどう使うかを含め、気づいたらいつも側にあったりするモノ。そんなブランドでありたいなと考えています。

―――今回のPOPUPが実現した経緯を教えてください。

S：べべたんがきっかけです。歳も近いし、自分も原宿に長い間身を置いていたので、べべたんのことは昔から知っていますが、不思議と近いようで少しだけ遠い存在で。実際に顔を合わせるのは誰かの展示会かイベントくらい。ただ、距離感がグッと近くなったのは前職から独立するタイミングでした。挨拶を兼ねて久々に連絡をした時に、驚くほど前向きに応援してくれたんです。リスクを含め色々な話もしてくれたし、何かあれば必ず力になるといつも言ってくれていた。嬉しいですよね。前職で長いこと働いた分、退職してからの一年間を焦らずゆっくり次のフェーズに向けた準備期間として設けていた時も定期的に連絡をくれたり、情報交換を含め二人で食事をしたりと、常に気にかけてくれていたんです。Timc Inc.が始動してからもブランドの方向性、在り方、見せ方に対しても必ず反応してくれたし、なおかつ褒めてくれる。おこがましい言い方になりますが、べべたんは俯瞰していて視野が広いんです。全体像をしっかり把握しながら情報を吸い上げるディレクション能力が凄く高い。しっかり見てる分、いとも簡単に確信を突いてくる。本人は嫌がると思いますが、大人なんです。偉そうですがそんな風に思っています。だから「DAYZで何か出来ないかな？」と声を掛けてくれた時は嬉しかったです。自分から話を持ち出すのは、筋として間違っていると思っていたので尚更ですね。そういった流れがある分、今回DAYZという場所でPOPUPを開催させてもらうことは自分にとっては凄く大きな意味があるんです。端的に言ってしまえば恩がある。だから、DAYZのあるべき理由と役割にも賛同できるし、自分が掲げるTimc Inc.の存在理由も根っこの部分で深く繋がっていると思っています。

―――渋谷というエリアについて何か思うことはありますか？

S：渋谷に来る頻度はかなり減りましたが、来るたびに良くも悪くも大きな街になったなという印象を持ちます。自分は東京生まれでそれこそ遊び場もセンター街から宇田川までのエリア。バイト先も渋谷の千歳会館だったので、ルールを含め渋谷でしか学べなかった出来事が多くあったと思います。当然、あの頃のヒリついた空気感は今の渋谷にはないですが、今も昔も不思議な魅力がある街であることには変わりないし、何かがうごめく若者の街であることにも変わりはない気はします。

―――今回のアイテムについてコメント頂けますか？

S：お話を頂いてから少し時間的余裕があったので色々と仕込むつもりでしたが、最終的には背伸びせずに等身大の今現在のTimc Inc.らしさをしっかりと伝えることが最優先だという考えに落ち着きました。スペシャルなモノを用意するのではなく、Timc Inc.の名刺代わりになるようなユニフォームスタイル。冒頭でも話しましたが、一見、飾り気のないシンプルな服にはそれを纏った人の魅力を十分に写し出す力があると思っているので、この機会を使ってまずは触れてもらい、僕の作るモノから何かしらの空気感を感じてもらうだけで十分だと思っています。

―――今回のPOPUPについてメッセージをいただけますか？

S：前職からもそうですし、独立後も脇目も振らずサポートし続けてくれている方々には本当に感謝しています。実店舗を持たないスタイルでこの2年間ランニングしてきましたが、今回はDAYZ協力のもと、今までにないTimc Inc.の世界観を少しでも感じ取ってもらえたら嬉しいです。

―――DAYZという場所についてどう思いますか?

S：大事な場所だと思います。ストリートカルチャーをつなぐ大事なハブであることは間違いないので、誤解を恐れずに言えばDAYZファンのみならず皆が大切にサポートするべきショップの一つだと思っています。