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イラストレーター・アーティストconix氏の過去最大規模の個展「conix mood」がSAIにて開催

様々なメディアをミックスした独自のアプローチを特徴とするスタイルで、国内外のアートファンを魅了するconix氏による過去最大規模個展「conix mood」が7月21日から8月13日までSAIにて開催される。

本展では、アーティスト本人によって現在の心境や時代を反映した30点以上の新作がSAIの空間を囲む。conix氏の作品は、コミック、ステンシル、彫刻、シルクスクリーン・プリントなど、多様な技法と媒体を駆使している。これらの多様なアプローチを探求する根底には、さまざまなメディアや技法を通して伝えられる、シンプルでありながら強固なイメージに対する強い共通した心理がある。パワフルでありながらミニマルな美学を追求し、絶えず芸術的ツールのレパートリーを広げてきたconix氏の多才な性質と好奇心は、国内アートシーンでも独自の発展と捉えることもできるだろう。





そんな、魅惑的なタッチと独自のメディアスタイルで知られるconix氏。特定の人物をモチーフにすることなく、多様なソースからインスピレーションを得て生み出される作品は、普遍的な存在の描写とも取ることができ、誰もが持ちながらも特定の誰でもない矛盾をバランス良く表現している。それらは、キャンバスから他の表現形式まで、様々な媒体を跨ぐプロセスで完成する。そんな、ひとつの工程に固執することない制作が作家本人に宿る内なるヴィジョンの自由に探求、コントロール、視覚化を可能にしているのだ。



conix氏はアーティストとして広く知られているが、その活動はイラストレーションの分野にも及んでいる。イラストレーターとしての「イラスト」は情報を補完する手段としてアプローチし、その意味を伝え、文脈を提供するために存在する。それに引き換えアーティストとしての作業は、通常追求しないようなモチーフやテーマを探求することができると本人が話すように、アーティスト自身と他の存在との新しい直接的なつながりが生まれることを「アート」に見出している。展覧会のタイトルが「conix mood」とあるのも、現代を生きる自身のプライベートなムード(気分)を反映する、アーティストとしてのconix氏の側面を最大限に活かしていると言えるだろう。





本展の世界観は、conix氏の過去作品を通して一貫したキーワードであり続けている「コミック的可愛さの公約数」というコンセプトが引き継がれている。アーティストルーツとも言える幼少期での、例えば漫画の中にある決めゴマと相反し描かれるシンプルで力の抜けたコマからインスピレーションを得て、それらを丹念に模写したり、拡大コピーする等、その好奇心の本質を深く理解するための経験、それらをはじめとした、自身の「可愛い」と感じる公約数を求める意識と、力の抜けたイメージに宿る力を探究する創造的なビジョンが展示空間を形成する。





また、本展の見どころのひとつとして、前回の展示から一新された立体ユニーク作品の発表もある。これまで取り組んでいるステンシル作品からインスピレーションを得た本作品は、スプレーペイント特有の意図と偶然の組み合わさったランダムな性質が、conix氏のアイコニックな立体作品に落とし込まれた作品となる。





さらに本展覧会では新たな試みとして、過去最大規模サイズのキャンバス作品はじめ、これまでの作品とは異なる等身の低い女性のキャラクターを取り入れた作品や男性モチーフを使用した作品など、新たなイメージの探求を表現している。心地よく自身の表現を進化させる姿勢でつくられた新作群は、対面したときに絶妙に抜けた雰囲気とアーティストの新たな制作への意欲が感じることができるだろう。



会場では、本展に向けたオリジナルグッズの販売や2023年バージョンのオリジナルビアグラスの先行販売、スマートフォンアクセサリーメーカーのCASETiFYとのコラボレーション新作iphoneケースの展示も予定。SAIでしか味わうことのできないconix氏の世界に是非足をお運びください。

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