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渋谷・SAI にて、世界より SNS 世代作家を集めた、イメージ(画像)と空間をテーマにしたグループ展 「BOLMETEUS(ボルメテウス)」を日本橋馬喰町のギャラリー・CON_ のキュレーションにより開催

世界からSNS由来の制作背景を持つアーティストらを集め、画像をはじめとする視覚的イメージと空間構成をテーマにしたグループ展「BOLMETEUS(ボルメテウス)」を、日本橋馬喰町のギャラリー・CON_によるキュレーションで6月1日(土)から6月23日(日)の期間、SAIにて開催する。

本展には、国内を代表する若手現代美術家・梅沢和木(うめざわかずき)をはじめ、ハイン絵画賞(Hine Painting Prize)受賞者のイギリス出身アーティスト・Ben Edmunds(ベン・エドマンズ)、BALENCIAGA(バレンシアガ)、Gentle Monster(ジェントル・モンスター)への作品提供も記憶に新しい池内啓人(いけうちひろと)等、国内外より計13名のアーティストが参加する。


20世紀末。第三次産業革命が起きてから私たちは、莫大な情報量とオンライン上にあるもうひとつの生活フィールドの獲得と引き換え、所々の“もの”の奥行きが滞り、それらは陰謀やインターネットミームなどとして新たな価値を植え付けられることが当たり前に存在する世界での生活を余儀なくされた。伝統とテクノロジー。活字と画像。現実と仮想など、至る所のシーンでパイオニアらが本来提示していた各々の基準バランスは崩れ、私たちはオンライン軸で情報が流動的に錯綜、越境する昨今を当たり前とした生活を送り、日々様々な手法より、常に新しい価値観や経験を目の当たりにし続けている。


中でも近代にかけて著しく文化成長を遂げ、視覚とその奥行きにユニーク性をもって発展し続けているSNSの可能性は、多くの存在の意味や役割をも塗り替え時代を進化させている傾向にある。InstagramやXをはじめとしたSNSアプリが誕生し確立する時代の中で、本展の参加アーティストらもまた、今を生きる私たちと同じ環境下で自身の潜在的思想を視覚化しアウトプット。同時代という括りの中、彼らは生活する土地や環境は異なっていても、デジタルメディア上で共有する何かに影響される側面は確実に存在していて、制作過程でその共通項は特有のオーラとしてのテクスチャーに進化する。


本展「BOLMETEUS」はそのオーラこそが、新たなアートの解釈だと考え、インスタグラム投稿を模すかのようにアートピースを収集(キュレーション)&共有(コレクティブ)する会場。これは、現にスマホを片手にSNSを見ながら物事に価値を見出す生活がある。つまり、目で見ることを重視した媒体が生活の中の選択で重要な役割を担っている、現代ならではの展示とも言えるだろう。また、様々な思想とメディアで成る作品群で構成される空間は、まとめられる事により本来の各々の作品に存在していたテンションよりも至ってニュートラルに収まる。その結果、空間から浮き出る各作品に宿った質感と雰囲気は、ひとつのSNSアカウントのように、本展にのみ現れる新たな個性として垣間見えるだろう。言うなれば、本展は作品単体で完成するのではなく空間を構築することにより完成する新しい作品への気づきを探る実験でもあるのだ。


これまで、トランスナショナルなコミュニティを培ってきたCON_と、多様な表現を空間をもって見出すSAIが示す、時代の順応とも反抗ともみれるオンラインベース思想&フィジカル表現から形成される本展は、アートに対する新たなコンテクストを紡ぎ、カオス化する「現代アート」を紐解くヒントになるかもしれない。

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